「オウンドメディアの言葉の意味は?」に対する最もシンプルな答え

更新:2019年2月9日

Webマーケティング界隈では頻繁に耳にする「オウンドメディア」。

1つのマーケティング施策として確立してきているオウンドメディアマーケティングですが、リスティング広告やSEOといったものからすると比較的新しい言葉と言えます。

定義も曖昧ですし、「ブログマーケティング」や「コンテンツマーケティング」、「インバウンドマーケティング」等似たような言葉も結構あるので意外と「オウンドメディアってなに?」と問われると困るシーンもちらほら。。。

今回は、オウンドメディアに関する情報を整理して、シンプルかつ本質を捉えた「オウンドメディアとは?」に対する答えを考えてみました。

最初に結論、オウンドメディアの意味とは?

「企業が運営する、情報配信サイト」

これが今の時流にはまるもっともシンプルな”オウンドメディア”の意味でしょう。

例外もありますが、オウンドメディアに関する大体の事象はこの定義で説明できると思います。

少し長くなってしまいますが、もう少し厳密で優等生な回答は

「オウンドメディアとは企業が所有するメディアのことで、Webサイトに限らず広告チラシやパンフレットなど情報伝達を担うメディア全てを意味する。デジタルマーケティング領域においては、トリプルメディア(POEM広告)の中の1つに位置付けられ、自社運営されているWebメディアと定義される。コーポレートサイト、自社運営のSNS等もオウンドメディアに分類されるが、一般的には情報配信を目的として運営されるWebサイトを指す。」

こういったイメージだと思います。

この答えに行き着いた背景

言葉の意味を解釈する上で、3つの観点があると思っています。

1.元となっている言葉の意味

2.言葉の成り立ち、歴史

3.その言葉を頻繁に使う人が、どのような意味で使っているか

これで概ね言葉の輪郭をつかめるのではないでしょうか。

1.元となっている言葉の意味と言葉の成り立ち

オウンドメディアは直訳すると、

OWNED(所有する)+MEDIA(媒体)

もとになるOWNEDという単語自体は、所有する主体が個人・団体に問わず使われる言葉です。

MEDIAについて調べてみると、

メディアmedia)とは、情報の記録、伝達、保管などに用いられる物や装置のことである。 媒体(ばいたい)などと訳されることもある。 記録・保管のための媒体とコミュニケーションのための媒体とに大別することができるが、両者には重なりがある。

メディア(媒体)-Wikipedia

もともとかなり広い意味の言葉のようです。

平たく言えば、「情報を送るもの」というのがメディアという言葉の意味でしょうか。

広告関連に絞るのであれば、上記引用におけるコミュニケーションのための媒体に分類されるであろう「コミュニケーション・メディア」の意味で使われるのが一般的でしょう。

元の単語の意味をたどるのであれば、オウンドメディアは「所有するメディア」という理解で概ねずれなそうです。

ちなみにOWNEDという単語自体は、所有する主体が個人・団体に問わず使われる言葉です。そのため意味合いとしては個人が運営するWebサイトもオウンドメディアと呼べそうですが、実際そのような場面ではオウンドメディアという言葉はあまり使いません。

個人の方でも企業に負けない大規模なサイトを複数運営しているケースもあるので、法人個人で呼び名が変わってくるのはなんとなく違和感もあるのですが、この辺は曖昧ですね。

以降に示す言葉の成り立ちにも関係しているのかもしれません。

2.言葉の成り立ち、歴史

オウンドメディアという言葉を誰がいつから使いはじめたかまではわかりませんが、日本で注目されるきっかけになったのは「トリプルメディア」というメディア戦略が提唱された2009年ごろだと思います。

2000年代前半は、基本的にWebマーケティングというと、知名度の高いメディアに広告を出向する形が主流でした。しかし、SNSが登場し広く使われるようになってからは、あらゆる方向のコミュニケーションがなされるようになり、Webマーケティングの手段も一気に多様化します。

トリプルメディアとは、

「ペイドメディア」・・・媒体費をはらい広告を出稿するメディア

「アーンドメディア」・・・企業関係者ではなく、顧客や批評家などが形作るメディア

「オウンドメディア」・・・企業関係者が直接運営するメディア

の3つを指す概念で、2009年後半以降のメディア環境を示しています。

このときに登場する「オウンドメディア」は、そもそもが企業マーケティングというフィールドで語られているので、やはり運営の主体は個人ではなく企業がより確からしいと言えます。

3.その言葉を頻繁に使う人が、どのような意味で使っているか

私自身、数十のオウンドメディアに携わらせていただいています。多くはディレクターとして、場合によっては予算管理レベルのコアメンバーとしてプロジェクトに関わらせていただきました。

その中で、実際にオウンドメディアを自身の旗振りで立ち上げ・運営をしている人とも何度かお仕事をさせていただいています。

そういったサイト運営者が使う「オウンドメディア」は、シンプルに企業が運営しているコーポレートサイト以外のWebサイトのことを指すのがほとんどです。

また、オウンドメディア支援を行っている企業サイドの担当者の場合、クライアント(運営元の事業会社)がそのWebサイトをオウンドメディアと読んでいれば、合わせてオウンドメディアという言葉を使っています。

厳密な定義でいうと、コーポレートサイトもオウンドメディアに分類されると思いますが、プロジェクトを進める現場ではコーポレートサイトと区別してオウンドメディアという言葉を使うことが多いように思います。

似ている単語や一緒に登場する言葉と比較したニュアンスの違い

混同されやすい単語として、

ブログマーケティング

コンテンツマーケティング

インバウンドマーケティング

などがあるかと思います。言葉の意味はそれぞれ違いますが、場合によっては同じ事物を指すこともあります。

ブログマーケティングとオウンドメディアマーケティングの違い

ブログマーケティングとは、そのままですが「ブログを使ったマーケティング」のことを指します。

オウンドメディアを使ったマーケティングと違いがあるかというと、名前が違うだけで同じケースも多いです。

言葉の使われ方的には、ブログマーケティングの方が少し個人よりの意味合いが強く、個人ブランディングなんかの目的で行う場合は「ブログマーケティング」という表現のほうがしっくりきます。

企業の運営するオウンドメディアも多くはブログ調のサイトなので、ブログマーケティングと言えなくもないですよね。この場合は呼び名が違うだけで、実態は一緒だと思います。

厳密にはオウンドメディアは宣伝チラシ、パンフレットなども含んだ自社所有の情報媒体の総称ですので、この場合は全く別物と言えます。

コンテンツマーケティングとオウンドメディアマーケティングの違い

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって良質なコンテンツを発信しマーケティングを行う施策です。

情報を発信してユーザーを獲得するという構図はオウンドメディアマーケティングと同じです。

「オウンドメディアを立ち上げて記事コンテンツを配信する」一連の流れをコンテンツマーケティングと呼ぶことも多いため、オウンドメディアもコンテンツマーケティングの1部に含むといった考え方が主流だと感じます。

また、オウンドメディアは箱、コンテンツは中身という捉え方もされるため、そういった意味ではコンテンツの中身に主眼を置いた場合に「コンテンツマーケティング」という言葉が使われている印象です。

インバウンドマーケティングとオウンドメディアマーケティングの違い

インバウンドマーケティングとは、顧客から問い合わせをさせることを主眼においたマーケティングを指します。

対比される言葉として、「アウトバウンドマーケティング」がありますが、こちらは問い合わせをさせるのではなく、テレアポや飛び込みなど、営業が出向いて顧客を獲得する方法を指します。

オウンドメディアを集客目的で運営する場合、顧客から問い合わせを獲得するためにあらゆる工夫を凝らすでしょうから、インバウンドマーケティングの一種と言えます。

少しそれますが、最近だと海外顧客獲得の意味での「インバウンドマーケティング」という言葉も使われるようになってきて、余計ややこしいですよね。。。

同じ手段を指していても、見方によって言葉がかわる

上記の「ブログマーケティング」「コンテンツマーケティング」「インバウンドマーケティング」は同じマーケティング手法を指している場合が結構あります。

例えば、この「オウンドメディアライブラリ」は株式会社セルリアが運営するオウンドメディアですが、ブログを運営しているという意味では「ブログマーケティング」ですし、事例を集めたりオウンドメディアに関わるお役立ちコンテンツを作成・配信しているところをみると「コンテンツマーケティング」をしているとも言えます。運営の目的は、長期的なブランディングと顧客獲得ですので、「インバウンドマーケティング」でもあります。

その時そのときの状況に合わせて、言葉を使い分けるのが良さそうですね。

まとめ:オウンドメディアとは、企業が運営する情報配信サイト

オウンドメディアの言葉の意味にフォーカスして深ぼってみました。考えれば考えるほど奥が深い気もしますが、「企業が運営する、情報配信サイト」のつもりでいれば、概ね解釈がずれることはないかと思います。

ちなみにですが、オウンドメディアに深く携わっているようなマーケティング業界関係者の中でも、あらためて「オウンドメディアってなんだろうね?」のような話をすると「結局定義は曖昧で、運営者それぞれの考えでいいんじゃないか?」といった玄人特有の身も蓋もない結論に行き着いてしまいます(笑)

言葉というのはある意味そうゆうものなのかもしれないですね。

オウンドメディアを立ち上げ成功させるまでの全工程

1.オウンドメディアとは

オウンドメディアに関する基礎情報から実践に必要な
ポイントを網羅。一冊でオウンドメディアの基礎をマスター

2.オウンドメディア構築

オウンドメディアを立ち上げる際に必要なステップを解説
見落としがちな落とし穴の対処法も記載

3.オウンドメディア運用

オウンドメディアを効果的に運用し大きく成長させるコツ
売り上げアップにつながる賢い運用を提案

今なら、そのまま使える記事企画のワークシートも無料でプレゼント

掲載されているサイトの掲載内容は、運営企業様のサイトやGoogle、SimilarWeb等から弊社が独自に調査・収集した 日時時点の情報 になります。情報について、それらの正確性の保証をし、または責任を負うことはできかねますので ご了承ください。万が一誤り等 ございましたら、お手数ですがお問い合わせいただけましたら順次対応申し上げます。

オウンドメディアを立ち上げ成功させるまでの全工程

オウンドメディアに関する基礎知識から実践に必要なポイントを網羅。新しく立ち上げ効果的に運用し大きく成長させるコツをまとめています。

オウンドメディア制作・構築
STARTER PACK

入念な設計と運用計画で失敗しないオウンドメディアマーケティングをご一緒に実現しましょう。立ち上げに関わる全てをワンストップで支援します。

メディアコンサル・運用代行
BOOSTER PACK

オウンドメディアを成長させたい企業のためのワンストップソリューション。貴社の課題に合わせたオリジナルのカスタマイズプランをご用意します。